第27回 ~「作家中上紀から見た父健次について」~
~「作家中上紀から見た父健次について」~
開催日時: 2013年6月7日(金) 午後6時~10時
開催場所:アーキテクトカフェ青山
東京都港区南青山2-27-18 青山エムズタワー2F
【開催のご挨拶 会長 安田豊】
【基調講演】 ~「作家中上紀から見た父健次について」~
講師プロフィール 作家 中上紀様
1999年『彼女のプレンカ』ですばる文学賞受賞。 2006年和歌山県文化奨励賞受賞。著書は『イラワジの赤い花』、『夢の船旅 父中上健次と熊野』、『シャーマンが歌う夜』、『月花の旅人』、『熊野物語』等多数。武蔵野大学、日本大学非常勤講師。現在、雑誌『婦人之友』にて熊野など日本の異界が舞台の長編小説「時空案内人」連載中。「熊野大学」夏期セミナー講師・コーディネーター。
中上紀先生の父、「中上健次」は、芥川賞作家であり、和歌山県新宮市生まれ。例会では、中上健次や、和歌山・熊野について、興味深い話を披露してくださいました。
中上健次は、紀州熊野を舞台にした数々の小説を描き、昭和51年『岬』で芥川賞を受賞されています。中上紀さんご自身は、東京生まれですが、父・中上健次に連れられて、熊野や新宮を毎年訪れます。また高校、大学時代はカリフォルニア・ロサンゼルスとハワイに住んでいました。中上健次という作家として、一人の人間として生涯をかけて、熊野の地にこだわり続けた方であったから、中上紀さんも自然と熊野は身近に感じられる存在だと仰っています。
「熊野」=大きな何か。得体のしれない迷い込んだら出られない感覚と表現されており、そこに、父の大きな存在感があると感じていらっしゃいます。
小さい頃から、夏になると家族全員で父の実家がある新宮市まで行き、夏休みを1か月以上も過ごしたそうです。当たり前の習慣だったので、いまだに夏になると熊野へ向かわずにはいられないそうです。
父・健次が、娘・紀さんにあてた手紙もご披露くださいました。
そこには、熊野に似ているということで、急遽ハワイに住むという内容があったりと、奔放で思ったら動かずにはいられないといった性格がわかります。ハワイでの生活では、祖母の為に、毎日、ビーチに出て熊野で古くから食べられている「茶がゆ」を炊いていたそうです。熊野に対する思いは遠く海外にいても忘れない父の背中を見ていたようです。そんな父の影響もあってか、中上紀さんご自身も、休暇で帰国するたびに、熊野へ行ったようです。那智勝浦町には、かつて父が仕事場として使い、熊野での本拠地にしていたマンションがあり、父と過ごす数少ない場所だそうです。
「熊野学」の拠点とすべく「熊野大学」を父が設立したその2年後、1992年夏46歳の若さで他界されました。
今は、中上紀が講師、コーディネーターを務め、毎年恒例の夏季特別セミナーで講師をしており熊野の世界化、世界の熊野化を目指して東京や熊野で活躍されております。
皆さまもぜひ一度、熊野の地を訪れてみてはいかがですか?
熊野大学 公式サイト www.kumanodaigaku.com/
和歌山自慢コーナー
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【乾杯の音頭】紀友会 副会長 上田富三
【懇親会の模様】
【閉会のご挨拶】紀友会 幹事 山本充彦
(第27回例会レポート 広報担当:中川貴照)