【第47回例会】「空港型地方創生に挑む」南紀白浜エアポート
・日時:2020年2月7日(金)18時30分~(18時00分開場)
<講演場所> C-WORK
東京都千代田区麹町2-2-4 麹町セントラルビル 4F
ご来場頂きました皆様、誠にありがとうございました。おかげさまで60名のご参加を頂き、大変な盛会でございました。
【基調講演】
(株)南紀白浜エアポート 代表取締役社長
関空の民営化を成功に導いた経営のプロフェッショナル岡田代表が、白浜町に住民票を移して真正面から改革に取り組み、27名の社員を率いて「空港型地方創生」をコンセプトに事業展開されています。空港を拠点とした地域の活性化について、和歌山県、引いては紀伊半島の発展に大変期待が高まる講演内容でした。
南紀白浜空港は1968年(昭和43)、滑走路1本で開港した県南部に位置する県内唯一の空港で、2018年の旅客数は約16万人。毎年3億円を超す赤字があり、その現状を打開し発展させようと2019年4月に民営化に踏み切りました。県から運営を引き継いだのが、経営共創基盤(東京都千代田区)が出資する空港運営会社「南紀白浜エアポート」、その代表に自ら手を挙げられたのが岡田信一郎氏です。
《この地域の課題》
白浜は県下ナンバーワンの観光地であり年間340万人が訪れるのですが、しかし実はその7割以上が関西圏からで、関東以北、海外からは5%の来訪率。また高速道路が便利になり過ぎたため日帰り率が高く、お金が地元に落ちない。地元の人口減少は止まらず現在2万人。
そんな中、白浜空港は一体何ができるのか。
第1に挙げられる空港のメインミッションは「航空路線拡充」
→そのためには地域の認知度を上げていかなければならない。しかし課題を掘り起こしてみると、
・まず白浜空港の存在が知られていない
・熊野古道が知られてない
・顎(食事)足(移動)枕(宿泊)の使い勝手が悪い
・キャッシュレスを全く使えない
その反面《近年に明るい話題が溢れており、追い風が吹いている》
・2020年合気道の新武道館ができる
・ゴルフ場跡地を使ったメガソーラーの開発
・プロスポーツチームの合宿キャンプ利用
・ワーケーション(名だたる世界企業が白浜にも拠点を持ち始めている)
・勝浦のホテルがどんどん新しくなっている
・すさみ、串本にマリオットホテル進出、古民家改築高級ホテル
・2021年串本ロケット発射場運用開始
・太地では31年ぶり商業捕鯨再開
・紀伊半島を1周できる高速道路の開通
・海外情報サイト(ロンリープラネットやエアビー)では、訪れるべき世界の地域として日本一評価の高い場所が「世界遺産 熊野古道」
・2021年、檜をふんだんに使った新ターミナル完成
こうした環境をまとめ、牽引し、白浜だけを売るのではなく、付加価値を付けて紀南全体、紀伊半島全体を売っていく。空港型地方創生・赤字型民営化のトップバッターとしてモデルケースを作る、1日の利用者数が440人という点を逆に強みとし、訪れる人全てがおもてなしを感じられるような空港を目指す、と力強く語ってくださいました。
構想20年の2年目、「世界の紀伊」の鍵を握る南紀白浜エアポートが熱い!
【乾杯の音頭・安田 豊 氏】
【例会・懇親会の模様】
講演後の懇親会でも、皆様活発にご交流されておりまして、終始楽しいひと時でございました。次回例会でもお会いできることを楽しみにしております。