【第29回 例会】~「世界遺産について」
・日時:2014年2月7日 (金) 18:30~21:30(18:00開場~)
・開催場所:アーキテクトカフェ青山
・東京都港区南青山2-27-18 青山エムズタワー2F
【開催のご挨拶 会長 安田豊】
【基調講演】
スピーカー:元世界遺産センター主任、現在新宮市立緑ヶ丘中学校校長 速水盛康氏
2014年で「登録10周年」を迎える世界遺産熊野を記念して、新宮市熊野学研究員で元世界遺産センター主任、現在新宮市立緑ヶ丘中学校校長の速水盛康氏に「世界遺産『熊野』の景観を紐解く(文化的景観と多様性を探る)」のご講演を頂きました。
世界遺産「熊野」の魅力は道にあり。
世界遺産に登録されている中で、「道」が登録されているのは2つだけ。一つは、スペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼道」、そしてもう一つが、『紀伊山地の霊場と参詣道』、いわゆる熊野古道で、世界でも類を見ない資産として価値の高いものです。『紀伊山地の霊場と参詣道』は、三重、奈良、和歌山の三県にまたがる「紀伊山地の自然」の中にあり、「吉野」、「熊野」、「高野」の三つの「山岳霊場」を目指した道になります。
熊野古道は、文化遺産?自然遺産?
熊野古道は、何遺産になるでしょう・・・・?例えば、「自由の女神」は、人が築いた文化遺産となり、「グランドキャニオン」は自然によって長い時間をかけて形成された「自然遺産」になります。それでは、『紀伊山地の霊場と参詣道』は自然遺産でしょうか?それとも文化遺産でしょうか?
熊野は、古来、死者の魂の行く場所、「黄泉の国」として、人々から畏れられ、崇められてきました。熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社のいわゆる「熊野三山」を、信仰の対象としてできた道になります。長い年月をかけて、自然に働きかけ人々が築いていった世界遺産、つまり文化遺産になります。広大なエリアの自然と一体となった、世界に類を見ない世界遺産です。
信仰の道として
熊野古道は、霊場を目指すことだけを目的とした道ではなく、霊場までの途中が大切にされました。その途中で様々な作法による修行が重要な信仰でもあります。自然物の信仰にはじまり、神社やお寺をつくり、道が整備されていきました。ヨーロッパでは、先に道ができ、その先を征服し文化を広めるため教会を作ることから、道の形成の違いに現れ、日本人の精神性を代表するものになります。
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世界遺産登録は、世界平和へのメッセージ
もともと仏教は、外国からきた宗教で、異文化のもの。これを排除するのではなく、見事に取り込んで日本的な自然を信仰する神道と融合し、新たに修験道や熊野権化信仰を生み出し、全国に広まり展開していきました。熊野神社は、全国に約3000以上もの熊野神社があります。異文化を排除しようとして紛争が起こることと比べると、排除するのではなく、平和裏に取り込み、神仏を融合させた日本的な精神性として受け止められます。
世界遺産を組織するユネスコの理念は、心の中に平和の砦を築く」。独善や排除の芽をつみとり、多様性を許容すること。紀伊山地のにおける熊野古道の世界遺産登録は、世界平和へのメッセージでもあるんです。
自然物を崇拝するという紀伊山地の山が無ければ成立していない、霊場や道。個々の資産ではなく、自然と一体となった資産だから、これだけの広大なエリアを登録する必要がありました。長い年月をかけて神秘性の高い景観をつくった人と自然との共同作品。この道を歩くと様々な多様性のある景観が飛び込んで、1200年の昔から今まで、永遠と生き続けているんですねと、語ってくださいました。
【乾杯の音頭】紀友会 会長 安田豊
【懇親会の模様】
和歌山自慢コーナー
【ミスなでしこヴィネガー】和夢ファーム 『ミスなでしこ』は梅ジュース・梅酒等に加工すると綺麗なピンク色の液体になるのが特徴の梅です。
http://www.eonet.ne.jp/~nagomufarm/index.html
【ランナー×紀州南高梅プロジェクト|和歌山県】 ランナーの声を反映した<梅干し>を商品化「 ウメパワプラス」
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/000200/runner-ume/
【紀州かつらぎ山のジャバラ 新岡農園】 1本に約3個分のジャバラを丸ごと絞り、高熱処理をしていないので香りも風味も新鮮そのもの。
www.shinoka.co.jp
【わたしのヘルシーパン 下津フードサービス】 イーストフードや保存料などは一切使用しない、手づくりパンの「ピノキオ」
〒640-8412 和歌山県和歌山市狐島389 電話:073-452-7733
(第29回例会レポート 広報担当:中川貴照)