3月, 2023年

【第55回例会】『アナザージャパン立上げへの想い』他

2023-03-02

・日時:2023年2月10日(金)18時30分~(18時00分開場)

<講演場所> Alice aqua garden 田町

      東京都港区芝5-34-7 田町センタービルピアタ 3F

 1:『アナザージャパン立上げへの想い』

~現役学生達による 47都道府県セレクトショップ経営とは~

保田葵さん(大正大学臨床心理学科3年生(和歌山出身))

2:『ぐるなびが仕掛ける新たな挑戦への想い』

~ぐるなびが和歌山から仕掛ける想い~

西原史郎さん(ぐるなび執行役員)

3:<追加講演>『和歌山市が挑む関係人口創出モデル』

~和歌山市と民間企業がタッグを組む地域ファン創出実験とは~

         平手和徳(かずのり)さん (シナジーマーケティング)

【講演】

アナザー・ジャパン 保田葵さん

 

~大学生による 47都道府県セレクトショップ経営~

「アナザー・ジャパン」とは、地方出身・首都圏の大学生18名が日本各地の優れた「工芸」を東京駅前のセレクトショップで販売するプロジェクトであり、三菱地所がプラットフォーム、中川政七商店が経営のサポートを行っているとのこと。

 

販売手法は2か月ごとに特集地域を切り替えて、1年で日本一周をするショップです。全国を6ブロックに分け、2022年8月から九州を皮切りにスタート、北海道・東北、中部、関東、近畿、中国・四国と進んでいきますが、保田さんは2023年4月から6月まで行われる近畿のご担当。

 

各ブロック出身学生を中心に地域の魅力をPRできる地域産品を自ら足を運び、厳選し、販売を行います。和歌山県田辺市出身の保田さんは現役大学生として、4月オープンに向けて、近畿各地を飛び回っていらっしゃいました

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 アナザー・ジャパンは「新しい発見と懐かしさ」という価値を持つ全国各地に眠る商品を地元・非地元の人々に届けることで、東京とその他の地域という概念ではなく、個性ある地域が集合する「もうひとつの日本」をつくることを目指しているそうです。

 

そして、「いらっしゃい、おかえり、いってらっしゃい」が生まれる場として、店舗に来た非地元の人には「いらっしゃい」、地元の人は「おかえり」、そして次の場所へ「いってらっしゃい」と送り出す。現地を訪れるための一歩を後押しするお店にしていきたいと話されていました。

 

2027年度には、東京駅前に完成予定の日本一高いビルとなるTOKYO TORCH(地上高390m)の中で47都道府県全ての地域産品を常設販売する計画とのことです。

 

 

【講演】

ぐるなび 西原史郎さん

 

~ぐるなびが和歌山から仕掛ける想い~

ぐるなびは全国の飲食店の情報を集めたウェブサイト「ぐるなび」を運営する企業です。

昨今では「食」を通じた地域活性化事業に参画しており、西原さんは地域活性化起業人として、2021年より和歌山市市長公室企画政策部に派遣されています。

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西原さんのミッションは和歌山に国内外の富裕層を呼び込み、食を通じたモノコト消費の拡大を掲げています。例えば、訪日外国人の場合は、一般層の平均消費額は15万円ですが、富裕層は170万円と言われており、特に富裕層向けの地方コンテンツは供給がほとんどなく、ポテンシャルが大きいと言われています。

 

そこで、ぐるなびは2022年9月から「この国にはこんなにおいしいがある」をコンセプトにプレミアムグルメクラブを立ち上げました。富裕層へ価値を伝えるためのサービスとして、希少性の高いレストランでのイベント、時短が可能なヘリランチなどを実現させています。例えば、和歌山の食材を使う東京のミシュラン三つ星のレストラン「カンテサンス」の貸切イベントや和歌山のミシュラン二つ星のレストラン「ヴィラアイーダ」に場外ヘリポートを設置し、京都と和歌山を片道20分で結ぶ往復ヘリランチ2名で77万円を提供するなど和歌山の食材の魅力をサポートしています。

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また、食を通じたモノコト消費の拡大としては、東京都内で和歌山の食材を出すレストランの食事券をふるさと納税の返礼品として採用するなど、和歌山の食を新しい取り組みの中で認知してもらう取り組みも始められていました。

 

 

【講演】

シナジーマーケティング 平手和徳さん

 

~和歌山市と民間企業がタッグを組む地域ファン創出実験~

シナジーマーケティングはマーケティング活動が手軽にできる国産クラウドサービスと、CRM(顧客関係管理)のプロとして、企業やスポーツチームのファンづくりをサポートする企業です。2022年10月に「関係人口創出モデル実証事業」に関する連携協定を和歌山市と締結し、2023年2月には、進学や就職などで和歌山市を離れる若者とそのふるさと和歌山市をデジタルの力でつなぐコミュニケーションサービス「FAVTOWN wakayama」をリリースしました。

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このサービスは、和歌山市にいま住んでいる人、卒業で地元を離れる人、以前住んでいたことがある人などがいつでも和歌山市とつながれるコミュニケーションサービスだそうで、会員登録をすると無料で「ふるさと便」が届いたり、成人式や同窓会に関する案内、和歌山市内の情報やお店のクーポンなども届くそうです。

 

「FAVTOWN wakayama」が生まれた背景には和歌山市の若年層の市外流出があり、若者の地域離れの課題を長年抱えています。若者が新しい学びを得るために、和歌山市を離れて挑戦することは素晴らしいことですが、地域と深く関わってきた若者との関係が転出をきっかけに途切れてしまっていることから、観光や転入促進といった外から呼び込む戦略ではなく、ふるさとを離れる転出者とつながり続ける戦略で関係人口創出に貢献していきたいそうです。

 

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若者とつながり続けることができれば、いずれ離れた地域を思い出し、将来Uターン移住やふるさと納税などで地域を一緒に支えるひとりになってくれるはずとの思いは、FAVTOWN(Favorite Town=お気に入りのまち)というサービスの名称にも表れています。

 ( 紀友会幹事 池田大志 )

 

 ※ここからは幹事の個人的プロボノ感想です

【 幹事プロボノレポート 】

■顧問 和歌山県東京事務所 萩 さおり

2月10日、3年ぶりとなるリアル例会が開催されました。私自身初めての参加となるリアル例会でした。

コロナ禍において色々工夫を凝らしながら会の進め方について検討してくださり、オンライン開催にも積極的に取り組んでくれた紀友会事務局の方々。こうした3年間を過ごしたからこそ、リアル例会の大切さ・楽しさを身に染みて感じた1日でした。

今後もオンライン・リアルをうまく組み合わせながら例会を開催したいですね。

■幹事 一級建築士 山本充彦

今回の講演テーマは<挑戦>。

現役大学生独自の目線で地域工芸品を東京丸の内で展開するプロジェクトは三菱地所と中川政七商店の協働企画。

近年、日本橋を拠点とする『三井』が領土拡大を進め、八重洲の『東京建物』も大規模再開発を成功させる中、丸の内拠点の『三菱』も負けじと丸の内から離れた地域に陣地を確保した「令和の陣とり構図」が見えます。

かの地で新たな販売戦略に<挑戦>する中川政七商店の覚悟と新たな賑わいづくりが楽しみですね

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アナザー・ジャパン | 学生による地域産品セレクトショップ (another-japan.shop)

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